回送ダイヤ記事の後編はこちら!
今回は回送ダイヤの知識を整理し学び直すダイヤ記事の前編です。何故いきなりダイヤ記事を?だらだら開発記事を書くんじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、その理由は先日私のX(旧Twitter)アカウントでダイヤ設定に関するアンケートを行ったことにあります。
#はじまるA列車 #ひろがるA列車 で鉄道のダイヤ(運行計画)を決める際に、設定が難しくて諦めた経験が
— 大根Pスープ (@D_IK_N_YKM) September 13, 2023
なんと約5人に4人はダイヤ設定で諦めた経験があると言う個人的に驚きの結果が得られました(回答頂いた皆様ありがとうございました)!
同時に解説動画で出て欲しいダイヤについて意見を募集したところ、
との声を頂きました。そこで今回は解説動画を作る前に知識を整理しつつ、文章でもダイヤに関する解説を残す目的でこの記事を作成しました。
前編後編と某ゲームのDLCみたいに分けていますが、今回は基本的な設定とちょっとした応用を合わせて紹介したいと思います。それではいってみよう。
ダイヤを組む前にシステムから回送設定をオンに変更し、列車間隔を0に変更しておきましょう。回送設定をオンにしないとそもそも使うことすら出来ないのでこれは必須。
列車間隔に関してはお好みで…なのですが、基本的に列車間隔を狭めておけば緊急停止を利用して組まれているダイヤでない限り、どんなマップでも9割の可能性(残り1割に処理落ちなどがある)で放置しているだけでもダイヤが乱れることはありません。
特別な理由がない場合は列車間隔を0に変更しておきましょう。
また使用する車両の性能、特に最高速度と加速性能は全て統一しておきましょう。この2つが揃うだけでダイヤの組みやすさが段違いで向上します。腕に自信がある方は気にせず混ぜ混ぜしちゃいましょう。
ちなみに今回は最高速度:高速/加速性能:普通の改良型近郊列車を使用します。同じ最高速度と加速性能である標準型特急列車や展望型特急列車などを使用してもOKです。
それでは早速回送の設定をしてみましょう。先ず走らせる路線はこちら。
A駅⇔C駅の全3駅の路線です。線路が2本隣り合った「複線」の路線で、先ずはA駅⇔B駅を往復するダイヤを組みたいと思います……がその前に。
始発・終着駅の前、つまりこの場合ではA駅とC駅の前にダブルクロスポイントを設置しておきます。このポイントがあるだけでダイヤの組みやすさが段違いで良くなります。しかしこのゲームのポイントは300個までしか使用出来ず、このダブルクロスポイントはポイントを4つ使用します。大きな路線を作る際は気を付けましょう。
ちなみにダブルクロスポイントの作り方は上のgifの通り。10MBの制限があるのでちょっと小さいですが…。
それでは早速ダイヤを設定していきましょう。使用車両は改良型近郊列車(最高速度:高速/加速性能:普通)の115系湘南色。先ずはA駅のダブルクロスポイント手前に車両を配置し、この車両の運行計画を開いて回送設定をONにします。
本格的な解説の前に注意事項を1つ。
営業ダイヤと回送ダイヤはそれぞれ異なる全く違う物と認識してください。
営業運転中は通過した駅を回送運転中には停車出来るなど、それぞれのダイヤが独立しています。
なので回送ダイヤを組むと言うことは、1編成の車両に2つのダイヤを設定すると言うことになります。難しそうに聞こえるかもしれませんが、使いようによっては便利な物です。例えば回送ダイヤを営業運転時と全く同じにした後にとある駅だけ通過にして緊急停止を回避する……なんてことも出来ます。
回送ダイヤだけの細かな仕様もありますが、それは解説をしながら部分部分で説明をしていきたいと思います。
さて解説に戻ります。次に営業時間を設定しましょう。回送設定をオンにしたので回送開始時刻が下に追加されています。先ずは営業開始時間を6時に、終了時刻を23時にしてみましょう。
次に回送開始時刻を5時30分、終了時刻を23時30分に設定しましょう。
営業時間の設定画面には3つの色に着色されたバーが存在していますが、それぞれの色は上記画像の通りの意味を持ちます。青色の就寝時間と言うのは全く動かない、不動、文字通り1mmも動かない時間のことを指し示します。
緑色の時間に客扱いを行い、黄色の時間に通勤・帰宅を行い、青色の時間に寝る。人々の生活に当てはめて考えるとわかりやすいかも。そして本記事はその黄色の時間に着眼をしている訳です。
営業・回送時刻をそれぞれ設定したら次はA駅の発車条件を設定……するのですが設定ついでにここで実験。
・2番線発着
・発車条件は発車時刻を5時35分に設定
・進行方向は折返し
・速度制限はなし
この様に設定したら次に回送路線です。
回送路線のA駅の発車条件は
・2番線発着
・発車条件は発車時刻を5時32分に設定
・進行方向は折返し
・速度制限はなし
営業路線と回送路線はダイヤ設定がそれぞれ独立しているので、面倒ですが別々に設定を行います。
さて発車時刻が回送の方が3分早いです。この様に営業路線と回送路線でそれぞれ時間が違う場合、時間が早い方が優先されてしまうのでしょうか?
答えは【5時32分に設定した回送路線が優先される】
これには理由があります。
先ほど設定した回送開始時刻が5時30分で営業開始時刻が6時。この30分(正確には5時59分)は回送路線の設定が優先されます。
つまり回送路線の設定でA駅の発車時刻が5時32分でなく5時36分だろうと55分だろうと同じ35分だろうと営業時間の設定が反映されることはありません。発車時間が早いから優先されたと言うことではありません。
逆に6時~23時(正確には22時59分)は営業路線の設定が優先され、23時~23時30分(正確には23時29分)までは再び回送路線の設定が優先されます。
ちなみに回送路線の設定は運行計画で回送設定をオンにする前に駅の停車時間を設定し、その後にオンにすると駅の発車条件、ポイントの進行方向などが回送路線に引き継がれます。なお進行方向などは引き継がれません。
さてこの後A駅を5時32分から1時間間隔で発車させる運用を組み、A駅とB駅を往復させました。ですが始発の5時32分発だけA駅の2番線ではなく、1番線で発車させることになりました。その場合も回送路線のダイヤを利用することになります。
先ずは営業路線のB駅到着・発車時間を確認しましょう。22時43分到着で48分に折り返して発車…現状では営業終了時刻は23時でしたのでこれを短縮します。
10分繰り上げて22時50分から回送路線に切り替える設定に変更しました。これでB駅始発A駅行き(1番線着)の終電車が出来上がり!……じゃないのだ!
A駅手前のポイントが分岐だと2番線に入線してしまいます。1番線に入線するにはポイントを直進させなければいけません。なおポイントの進行方法は営業路線の設定を引き継ぐ仕様があるので念のため要確認です。
またポイントを分岐に設定しても、ポイントの通過時刻が営業時間内では意味がありません。しっかり回送時間内に通過しているか確認しましょう。
ここで1点注意。ポイントの通過時間ピッタリに営業から回送に切替させると稀に処理落ちなどで設定が反映されないことがあります。必ず1分は間を開けておきましょう(個人的には2分あれば安心)。
これでA駅1番線に入線出来ました!後は発車条件を2番線と同じ物を1番線にも設定しておきましょう。心配なら回送も同じ物を設定しておくと良いかも。
今回は性能が良い車両なので1時間間隔が成立します。なので発車時刻を指定しその様に設定。なお時間指定で1時間間隔で走らせる際は発車本数を99本にしてもOKです。上にスティックを上げるだけで本数の設定が完了出来て便利!
次は応用編。1日目はA駅⇔B駅を往復し、2日目はB駅⇔C駅を往復。その後A駅に戻ってまたA駅⇔B駅を往復する運用を組んでみます。つまり1日目と2日目で運用が違う実際の鉄道に近いダイヤを組んでみようと言うことです。
この日によって違うダイヤが組めると、様々なダイヤを組むことも可能になります。例えば1日目と2日目で車種が違ったり、1日目は本線で動いて2日目は車庫でお昼寝して夕方から支線運用に入って夜中に本線に帰ってくるなど……。そんな日によって違うダイヤを早速組んでみましょう。
先ほど組んだダイヤを流用しましょう。A駅1番線に入線する為に営業終了時刻を50分までにしましたが、今度はB駅を43分に到着するので営業終了時刻を40分までにします。
その後回送路線でB駅の進行方向を直進に変更し、C駅1番線に入線させます。
次にC駅の発車条件を設定します。今回はA駅⇔B駅とB駅⇔C駅の距離が同じなのでA駅と同じく5時32分から1時間間隔で本数は99本に設定します。今回は回送も同じ設定でOKです。
皆さんは念のため駅間の距離を何となくで良いので認識してから時間を設定してくださいね。
B駅の発車条件はそのままで進行方向は折返しにします。なお回送路線の進行方向は直進にしておきましょう。
その後車両の動きを見守って問題なければ回送路線の設定を行います。B駅には毎時40分に到着し45分に折り返して発車します。
先ほど営業終了時間を22時40分に設定したので、特に時間変更などの必要はなさそうです。最後にB駅2番線を通ってA駅に向かうので、A駅手前のポイントを回送路線で分岐にして1番線入線にすれば応用ダイヤの完成です。
では出来た応用ダイヤの動きをそれぞれ見てみましょう。
【A駅→C駅】
【C駅→A駅】
これで完成……ではないのだ(2回目)!最後に同じ性能の車両に組んだダイヤを複写しましょう。
今回は115系と同じ素体(改良型近郊列車)で再現した315系をチョイス。上の画像の中だと標準型特急列車で再現した189系 彩野でも最高速度と加速性能が同じなのでチョイスすることが出来ます。
ダイヤを組んだ車両を選び複写を選択。その後ダイヤをペーストさせたい車両を選びましょう。なお複写には3種類存在しますが、ここでは車両の名前を変更したくないので【運行計画】を選びます。
もし間違えて違う車両を選んだ場合は、何も複写の表示が名前の右側に表示されなくなるまでそのままボタンを押し続けましょう。
完成した応用ダイヤはB駅で接続を行うダイヤになりました。
1日目はA駅⇔B駅が115系、B駅⇔C駅が315系で2日目は組み合わせが逆になり3日目で元に戻ると言った感じです。この様なダイヤを組むことが出来れば複雑なダイヤを組むことも可能になるでしょう(路線の配線にもよりますが…)。
今回は2日でループしますが、3日でループなど間隔を伸ばすことも出来ます。しかしあまり複雑過ぎると管理が面倒なので長くても3日ぐらいが良いかなと思います。
前編はここまでです。思ったより長くなってしまいましたが後編もこれぐらいのボリュームになりそうです。なお冒頭にも記載しましたが、この記事の内容は今後動画化する予定です。前編・後編の内容に+αした物を解説動画として今後投稿しようと思っています。ダイヤ解説は文章と画像だけでは伝わらない部分もあると思うので、文章と動画の両方で攻めていきたいと思います。
さてここで後編の予告です。車庫・留置線からの入出庫ダイヤが難しいとの声があったのでそれを上手く捌ける様になる解説を行いたいと思います。
また前編で紹介する機会がなかった回送設定の細かい仕様についてもさらに紹介していく予定です。今回でも営業路線の一部設定引継ぎなどを記載しましたが、まだ紹介できてない仕様があるんですよね…。そんな後編は遅くても来月10月には投稿したいと思います。……リクエスト再現車両の作成も頑張ります………(まだ5編成目なのだ………)。
もしこの記事を見て質問や感想などがある方は是非コメントをどうぞ。ブックマーク登録や、はてなスターを貰えると嬉しいです!
【お知らせ(2023年11月追記)】
動画でもダイヤ解説してます(後編の内容も含みます)!
それでは!
YoutubeでA列車で行こう3D/PCの解説動画、はじまる・ひろがるA列車のダイヤ解説動画などを投稿しています!良かったらチャンネル登録お願いします!