EF64 37の引退がデマかもしれないと情報が出ました。仮にデマだとしても「嘘から出た実」と言う言葉もありますし、高崎や大宮(鉄道博物館)など何処かで保存されていると良いですね。ちなみにこの記事は37号機の引退と高崎での保存が事実と言う前提で作成しております。
※2022年7月14日現在、EF64 37は「秋田総合車両センター」にいます。
国鉄時代から活躍するEF64 37(以下37号機)が高崎車両センターで保存することが報道されました。前々からそろそろ廃車との声があり、ひっそりであったことには驚きましたが(催行中止になったツアーで何かしらイベントをやる予定だったのかも)遂に引退となりました。
個人的に38・39号機とセットでたまに見る釜と言うイメージで(かつては36号機もその中にいた様ですね)何時の間にか37号機のみになり、しかもカラーが変わっていました。
さて私がこの情報を知って先ず注目したのは「高崎車両センターで保存」と言う点です。高崎車両センターにはかつて「EF55 1」や「EF60 19」などの古豪が活躍していました。
「EF55 1」は大宮の鉄道博物館に展示。「EF60 19」は秋田総合車両センターで一部部品が撤去された状態で留置している様です(2022年4月に解体されてしまいました)。共に動態保存の電気機関車ではあったものの引退後の末路はそれぞれです。そんな中に37号機が入る訳ですが、恐らく私は静態保存をすると思います。
37号機の様に車両基地で保存される車両は前例があります。先ずこの手の話題ですぐに出るにはかつて中央線快速・青梅線などで活躍した「201系」でしょう。
この201系はさよならツアーなどでも活躍したH4・H7編成とは違い、2008年1月に運用を離脱したH1編成となります。201系のトップナンバーである「クハ201-1」が豊田車両センターに保存されています。かつては退色しまくっていましたが2014年の豊田車両センター公開時には塗りなおされ現役時の様な姿を取り戻していました(2022年7月現在も変化はありませんが、最近は有料の撮影会でよく使用されています)。
この201系ですが昔から「大宮に行く」と言う噂が絶えない車両でした(ここで言う大宮は埼玉県さいたま市にある「鉄道博物館」であり、博物館に収蔵されることを意味する。以下大宮と表記する場合があり)。しかし201系引退から10年が経過する今も豊田車両センターを離れることはありませんでした。
「583系」は車両基地で保存される車両でも有名でしょう。面白いことに中間車2両が台湾で保存・展示、片方の先頭車(クハネ583-8)は個人に譲渡されており、残る3両は秋田車両センターで保存されていました。しかし中間車のモハネ583/2-100は解体されたので2021年現在はクハネ583-17のみ保存されています(2022年7月現在も変化はありません)。
この583系は2016年4月に引退していますが、まだ車籍がある様です。また2020年12月にはオンライン車両基地見学会で公開されています。その際に塗装が塗り直されており、新製直後の様な非常に綺麗な姿にお色直しがされました。世界初の昼夜兼行電車ですので、このまま綺麗な姿のまま保存して欲しいものです。
他にも車両基地で保存される車両は宮原(京都)にいるEF15 158(車籍は既にない)、博多総合車両所の100系グランドひかりの2階建て中間車2両、西武秩父線横瀬駅のクハ3011などの車両などがあります。意外と多い。
大宮の鉄道博物館には上の写真の103系やクモハ40、101系(クモハ90)などの車両が保存されています。400系やE1系など後から追加された車両もいますが、EF58 93の様に期間限定で展示され解体された車両も存在します。よく鉄道博物館には使える用地がないと聞きますがそれの真偽はさておき、今回の37号機の保存が鉄道博物館ではなく所属先の高崎車両センターであるのは何かしら理由がありそうです。そこで幾つか理由を考えてみました。
・引退した車両を保存する際は基本的に所属先で保存する方針に変わった
・引退した車両ばかり展示すると他の鉄道ジャンルを学ぶスペースが確保出来なくなる為(用地の問題とも繋がる)
上記3つが浮かびました。先ず1つ目ですが、例えばJR西日本の博物館(以下梅小路)には581系がいます。581系は西日本や九州ではよく見られた車両ですね(たまに先頭車だけ583系なんてこともあったらしい)。
また九州鉄道博物館には見た目は581系、中身は改造後の715系なんて車両もいます。他に0系は大宮・JR東海の博物館(以下金城)・梅小路など様々な場所で展示されていますが101系に関しては大宮だけ(モックアップ除く)、103系に関しては大宮(ただし塗装は見ないこととする)・梅小路のみで保存されています。103系は名古屋地区にもいましたが、金城には保存されていません。この様に車両によってかなりバラつきがあります。
↑梅小路で動態保存されるD51 200。現役の車両の整備風景が見れる博物館はここだけだろう。
次の保存方針ですが個人的にはこれが有力かなと思います。
・展示時期もある程度自由に出来る
などメリットはそれなりに多いと思います。
しかし小田急電鉄の保存車両解体の一件の様に車両の収容スペースの問題等で解体の危機に瀕するデメリットがあります。
最後のスペースの問題はまぁなくもないんじゃないかなぁと思います。仮に201系・205系・209系・E217系・583系・EF60・EF64などここ3年以内に廃車になる、もしくは3年以上前から廃車になっている車両を全て大宮に収蔵したとしましょう。・・・増築しない限り全ては収まらないでしょう。
EF80や301系など大宮の鉄道博物館外で保管していた車両が全て解体されたことを考えると、大宮は本当に引退した車両を置くスペースはほぼないのかもしれません。
だらだらと書き過ぎました。恐らくEF64 37が大宮に収蔵されない理由は・・・この中にあるかも。そもそも「保存」としか報道されていないのでEF63の様な保存をするから高崎なのかもしれません。この辺りの理由は聞く機会があるなら是非聞いてみたいものです。
↑金城で保存されるも解体された117系は2021年現在もJR西日本で活躍中。
先ほど大宮で期間限定で展示されるも解体されたEF58 93の話をしました。しかしこれは金城でもあった話でした。2019年5月に金城で保存されていた117系2両と381系の先頭車(クロ381-11)がN700系に置換えられました。この3両は結局浜松で解体されてしまいました。
この時展示終了の理由が「総合的な判断」。博物館は安住の地と思えますがこの様に「総合的な判断」次第でそこを追い出されてしまうこともある訳です。
そもそも金城ことリニア博物館は登録博物館ではありませんのでこう言った事例も仕方がないことではあると思います。展示して終了、ではなく展示後も頻繁にその博物館へ足を運ぶことは大切なことであると私は考えています(高崎で37号機が保存後、解体されるとはあまり思えませんが)。
EF64 37は高崎で、同じく中央線をよく走破した189系N102編成は北長野で留置。後車も37号機の様に保存されて欲しいですね。なにやら譲渡の噂もありましたが真偽不明です(2022年7月現在も変化はありません)。
古い車両の保存には「アスベストの問題」など様々な壁があります。その壁を乗り越えた37号機の今後に注目したいところです。EF65 501などの機関車もどうなるか要注目ですね。
37号機は今後高崎車両センターの公開があれば出会えるのか?それとも高崎車両センターに、小田急線の海老名駅前に出来るミュージアムの様な施設を作る計画でもあるのか?EF63の様に動態保存の計画はあるのか?など色々と気になりますが今後の活用方法などの情報を待つことにします。
尚、この記事は一部推測部分を多く含みます。「何故EF64 37は大宮の鉄道博物館へ収蔵されないのか」の項目に関しては推測の塊です。
また冒頭でも青い太文字で記述しましたが、37号機が引退し高崎で保存される情報を事実だと仮定してこの記事を作成しております。
それでわ!
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